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漢方治療について

私は、開業して22年になりますが、漢方の勉強は20年になります。
それまでは、大学などで習って来た西洋医学が全てで、自信満々で「何でも治してやる」、というような気持ちで毎日の診療に携わっていました。

外来では、風邪の患者様が圧倒的に多く受診しますが、ほとんどは一般的な風邪の治療で改善しますが、約一割余りの患者様は、中々治りません。
抗生物質、喘息の薬などを処方しても治りません。
そのような患者様に漢方治療を行うと、嘘のように治ることがあります。

漢方を勉強し始めたころは、そのように漢方治療が奏功する患者様は少数でしたが、今では大体治す事が出来るようになりました。

漢方治療と云うのは、西洋医学とは全く異なった理論の上に成り立つ学問で、というか自然現象を人間の体にも適応させて病態を説明し、治療を進めるものです。
ですから、漢方理論に則った診断をし、処方しないと効果がありません。

西洋医学は病名が同じであれば、プロレスラーでも虚弱体質の人でも薬は同じで投与量が異なるだけです。
しかし、漢方は基本的に使う薬が違ってきます。

漢方の言葉に「同病異治、異病同治」というのがありますが、この言葉は、西洋医学と漢方医学の違いを端的にあらわしています。
この言葉の意味は、「同じ病気でも異なった処方をし、また、異なった病気でも同じ処方をする。」という意味です。

漢方医学は、ある病気に対して薬があると言うような治療の仕方はしません。健康な人が寒い所で長時間仕事をしてかぜを引いた時、原因である寒さ(専門的には風寒といいます。)を体を温めて寒を出すことによって治療する。これは、体の中の正常の気が外の世界の寒さ・暑さ・乾燥・湿度(専門的には外邪といいます。)などによって障害されたとき病気になると考えます。すなわち、体にはいった邪を除くようにして治療をする訳です。

このような考えの下に病気の患者様が来た時には、患者様の状態を診断するのに最も大事なことは熱があるか(体温計で計って上がらない程度)・冷え(寒)があるかと言う事です。それによって使う薬が全く異なってきます。ですからそれをないがしろにして漢方薬を使うと副作用が出ます。

その他、表・裏・陰・陽・虚・実と先に述べました寒・熱の八つについて診断していく方法を八項弁証といいます。
また、病気の時間的経過について分析する六経弁証という診断方法もあります。さらに、気・血・水の三つの項目(体の機能を司る気、体の中の栄養素血・水)について診断していく気血水弁証という診断方法もあります。

これらの、診断方法を駆使して患者様の病状を診断して治療ということになります。漢方医学では、診断がつけば治療は簡単で、邪を除いたり、足りない気・血・水を補うとこにより治療していきます。

また、漢方治療の中に針治療があります。これは、骨折・脱臼などの器質的な病変がない場合、すなわち、機能的な痛み(使い過ぎ・疲労などを原因とした痛み)にはよく効きます。肩こり・片頭痛・めまい・腰痛・ひざ痛などよく奏功します。

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