インタビュー

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西洋医学と漢方の統合を先代院長の父から継承。患者さまの体質に合った細やかな治療を提供します。

医者である父の姿を見て育ち、医学に大きな意義を感じて医者を志しました。漢方治療も父の考えを継承しています。患者さまのお話をしっかりとお伺いすることを基本に、体質に合った治療を提供いたします。

どうして医者になろうと思ったのですか?

父が医者だったこともあり、子どもの頃からいつも父の姿を見ているうちに、私自身も将来は医者になるものだと自然に考えていました。父は夜中に起こされて往診に出かけるのもしばしばでした。
父を通して、私は医者の仕事の大変さを見て育ったわけですが、それでも医者になる気持ちは不思議と揺るぎませんでした。

このように、現在私が医者であることには、漢方を用いての治療を含め、やはり父から影響を受けた面が大きいと思います。
ただし大学受験の頃、一時は物理学者に憧れたこともありました。しかし結果として医学への道に進んだのは、その頃にはすでに、自身の中で、医者という仕事に大きなやりがいを見出していたからだと思います。

日々の診療で心がけていることを教えてください。

患者さまのお話を、しっかりお聞きすることを心がけています。そうすることで、身体に不具合をかかえる患者さまのストレスを発散していただき、心を少しでも解放していただきたいからです。
そして、会話を通じて患者さまとの信頼関係を醸成していくことが治療の面でも、より良く作用すると考えるからです。

とくに慢性疾患でお悩みの方には、お身体の症状に限らず、さまざまな内面的なお悩みを、何でもお話していただけるように配慮しています。そのため、診察室では30分以上、患者さまのお話をお聞きしていることもたびたびです

西洋医学と漢方治療の併用には、どのようなメリットがありますか。

早く患者さまの病状を改善させることができることが大きなメリットだと考えています。そして、医療における洋の東西のバランスは、患者さまのお身体にも良い影響があると考えています。

例えば西洋医学の代表的なものに抗生物質があります。もちろん肺炎や扁桃腺の腫れなどの炎症には抗生物質を使いますが、これを過度に使用すると耐性菌ができて薬が効かなくなります。また、肝臓や腎臓への負担も漢方薬のほうが少ないということもあり、当院では西洋薬に偏らず、必要に応じて漢方薬を使用するよう努めています。実際、漢方薬を使っていると、抗生物質を使う必要がなくなる症例もありますし、漢方だと、患者さまもいつのまにか良くなったという感覚があるようです。

医師として、どのような時にやりがいを感じますか?

診察・診断・治療という、医者の仕事の一連の流れを通して、少しでも患者さまの症状が改善していかれる時、私は医師として大きなやりがいを感じます。あらためてこう述べる背景には、かつて当院が入院治療をおこなう前、重症の患者さまを大きな病院へ送っていた頃に感じた、治療上での不全感があります。

慢性疾患の急性増悪した患者様を大病院に送った際、医師が患者さまの病態を把握するまでに時間を要することから、その間に様態が悪化し残念な結果になったことが何例か経験しました。その際、もし自分がそのまま診療していれば、また元気になったのではないかと感じたのです。これにより入院治療を開始した経緯があります。

患者さまへのメッセージをお願いします

漢方には、「医食同源」という言葉があります。身体は日々の食事によって作られるので、健康維持には、医療だけでなく食事も同程度に重視すべきという考えが示されています。つまり、病気を良くする、薬だけでなく、日々の食事にも配慮すべきということです。では漢方はどのような食べ物を勧めるのでしょうか。

漢方が着目するのは食べ物の「色」です。赤、青、黄色、白、黒という「五色」におよぶ食べ物をそれぞれ食べると、必要な栄養が取れるというのです。五色とは、野菜や肉、魚などすべての食材に関わります。医療のみならず、このような日々の食事の積み重ねが健康を作ります。ぜひこれを心がけていただければと思います。